Hat of wool , Wooly hat

2013年12月28日

hats1228

 Left (Hat stand) : Soft Kepi ​​of black wool melton for Women / Right (On the box) : Women’s casquette of Italian tweed with quilted lining / In this side : Gentleman’s hunting hat made ​​of wool check tweed  / by Atelier hPark

作家の苧麻製エプロン

2013年12月24日

t・m・u apron

 前肩と腰の二点で着て、あとは解放というエプロンは、衣服として極めて優れた構造であるという点からも好きなアイテムなので、定番商品化を考えている。こちらは、その開発途上原型を元にオーダーいただいたもので、ネックストラップの長さを変え、素材を身頃と共布製とした。リネン(亜麻)よりも長い繊維であり、絹麻とも呼ばれるほど光沢の美しさを纏うラミー(苧麻)製である。麻は、欧州では新石器時代末期に、中国では紀元前三千年頃に絹織物と一緒に縄状のものが、日本では縄文時代後期の土器に布目のあるものが発見され、昔は、単に布と言った場合には麻織物のことをさした。中でも苧麻は細い糸を作りやすく、高級な織物に使われていた(越後上布、小千谷上布、能登上布 等々/上布は、献上・上納された布や、江戸時代の糸使いの細い織物のことをいった)。柳田邦男『木綿以前の事』によれば、かつて一般的な日本人が、主に麻しか肌につけるものを持ち合わせて居なかった頃に比べて、木綿の登場は、若い人たちの流行にとって珍しいという価値以外にも、からだとの摩擦の快さや肌触りで麻よりも優れ、布の色模様に関して絹階級の特典と思われていた染色性の面でも素晴らしく、麻をいろいろ処理するための二千年来の家具が不用になり、村里には染屋が増加し・・・(略)、人々は一段と美しくなり、生活の味わいが濃やかになってきたことは、椀が白木のものから瀬戸物へ変化したことも同様であったという様な記述がある。現代はどちらの素材も質は大変向上したが(スピード効率化により劣化している面もなくはないと言えるかもしれない)、勿論上記と同じような比較では特性ゆえの優劣もある。同じセルロース分子からなり、化学的には同じものであるはずの、この太古よりの代表的植物繊維同士が、こうも違った性質を持っていることが何より楽しく美しい。麻しか利用出来なかった時代の、寒い冬場の何枚もの重ね着は「太布何枚の寒さ」と表されたという。強く、端正な形を整えるが、一方では非常に皺がちであるこの友の、最新の良いところをこれからも発見していきたい。

服飾変遷

2013年12月20日

hensen
 図のように2080年ではなく、1990年代には既に見た気もする。少なくとも00年代前半には。もっとワイルドなメイクとヘアを伴って。芸術は長く人生は短し。ファッションの消費サイクルは短し。仮にこの計算が有効ならば、2080年のボトム丈はさらに短し。だが、決して裸へは行き着かない。行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。否、もとの水である場合もあり得る。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと服飾と、またかくの如し。もっと古い書籍ならともかく、1981年の著作なので、これは充分想像の範疇のルックであろうが、あくまでこの理論に照らし合わせると、2080年にこの和装が現れても、鹿鳴館時代に現れるに比べれば、全く狂人扱いされないだろうという仮想実験である。奇天烈さを表現する為に、あえて和服を選んだと思われる想像図ではあるが、この10数年後には軽々と実在することになる。今も街では様々な格好があるようだが、ぎょっとするという意味での驚きはほとんど皆無である。

包装研究 12

2013年12月19日

french button

 ボタンがボタンとしての機能で以て自らのパッケージング。

替え衿

2013年12月18日

tuke-eri

 These are spare(or attachment) collars for women.From left to right.
Independent collar dark navy polka dot(Additional production)/ Charcoal gray collarof wool plain fabric & flannel collar cloth / White cotton broad high collar with two buttons / Whaite ramie cloth round tip wide spread collar
/ by Atelier hPark

SENSE of Wonder

2013年12月11日

S.O.W

 久野久の旧制東京音楽学校の前を通り過ぎ、『 SENSE of Wonder 展 @ 東京芸術大学大学美術館陳列館 』へ。「陳列館」という名前に高揚する。
素材=マテリアルを見つめ直し、探る作品展。教員や在校作家の作品と、学生によるマテリアルライブラリーと薬品未使用のZINE、それとワークショップからなる展示。二階の久保田沙耶さんの作品を目当てに伺ったが、一階の学生のマテリアルライブラリーはもう少しゆっくり見たかった。日々、何か焦って素材について深く考える事ができていない自覚は多分にある。つくるものは直接関係ないが、学生一人一人の作品や意図を自分の事と置き換えて観賞し考えてみやすい展示であったからである。こういう時こそ、時間をしっかり取るべきで、そそくさと、見さえすれば安心、手元に入手したら安心という精神は個人的に決して好ましくはない。二階の作家・久保田沙耶作品は、言わずもがなで、私のようなその段階に居る訳はなく、素晴らしかった。

ocaille
jimbo

 資料カードとして。