アイロンワークは、勿論ウールがその物性ゆえに最適な訳だが、綿でも麻でも絹でも効く。そうでないと、チャイナドレスのあのラインもありえないだろうと先生がよくおっしゃっている様に。祖母の帯地を洗張したシルクでパンツを仕立てた。アイロンワークをシルクで駆使するのは初めてであったが、つるんとしたフラットなシルクというのではなく、クリストバル・バレンシアガのシャンタンを連想させるような、シボのあるしっかりめの生地であったので、大胆に思いっきりアイロンをかけられた。想像を遥かに越えて、ふくらはぎの立体は見事なまでに入った。これほど入るのであれば、型紙の線をやや遠慮気味にする必要は全く無かったと思うほどである。裾はシングルのモーニングカット。これならば、上物でも面白くなりそうである。