gusho

 悲しすぎれば涙も出ないように、あまりに素晴らしい場合は言葉がない。駅のホームからスカイツリーがデカデカと拝める錦糸町は@すみだトリフォニーホール・菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『具象の時代』。官能的でありがらも、一方では目が覚めるような爽快感。具象と抽象のアンドロジーナス。鳥肌の連続で風邪を引きそうな程だ。チケットは随分前に取っていたが、この数日いろいろあった事も関係して、単にこの上ない楽しみだった事を越えて、個人的には意味合いが大きく変わり、まるで自分のための内容に感じられ、それはある過去の時点から既にこういう状況で拝聴する流れに決まっていたかのように思えてしまう。成人式にも出なかった私の通過儀礼なのだろうか。開演直前、近くの席の方が、着飾られて続々と入場されてくるオーディエンスの方々を揶揄するような発言をされていたのが、残念であり悲しく、自分も神経質な時期だったので開演直後その事がとてもとても気になってしまっていたが、『映画「バターフィールド8」 ~ バターフィールド8のテーマ』で菊地さんのサックスが入ったところで全てが吹っ飛ぶ。何か面白くない事があったりしたのかもしれないが、その方も終演時には必ずやとても気持ちのよく幸福に満たされて帰路につかれたのであろうという確信が私にはある。MCにおいても、既に他界されているお父様の教えや、メンバー紹介でのハープ奏者・堀米さんがご結婚されたことについて「受け入れがたい事実であることに」など愛嬌ある枕詞がついていた事、アンコールの『クレイジー・ヒー・コールズ・ミー』の解説等、曲以外の部分でも癒して下さった。いくらでも食べたいメインディッシュの嵐のようなセットリスト。なけなしのお金は、はたいてみるものである。下の写真、すみだトリフォニーホールといえば舟越桂氏の彫刻。

井の頭線の両端

2012年9月26日

orfeo
flower0926

 服飾学校時代、机を並べていた友人が吉祥寺に古着屋を開いた。開店から一ヶ月以上過ぎ、ようやく顔を出す。駅からも近く、店内は広々で、良質のアイテムが多品種で揃っており、ご婦人から学生までを惹き付けるかわいいものから、流行に顔を出すオーセンティックなデザインの原始である元ネタまでも並ぶ。駅前では、23時まで開いている古着店もあるというくらい、言わずと知れた繁華なエリアにして、メディアでも住みたい街ナンバーワン常連の吉祥寺に誕生した『Orfeo』は21時までの営業。
 開店祝いにと、井の頭線の反対の端、渋谷にて友人に花束をお願いする。Orfeoの友人とは、数年会っていなかったので、学生時代のイメージに加え、ブログで拝見したお店の様子などを伝えて、あとはお任せする。黒蝶(ダリア)、フリージア、とても良い香りのアフリカンバジル。その美しさを写真で再現出来ないのが残念である。『 Lady Bugs 』は、近所にあったらいつも通いたい素敵なフラワーショップ。

Impellent for me 1

2012年9月24日


KOUSEI

Fournitures Generales Pour Le Piano (Paris)
KOUSEI WERKSTATT (Tokyo)

EB0
SCS1
SCS1HEM
PSS2
PSS2HEM
PSS2SLEEVE
CS3
DS4
CA5

Handmade slacks, farmers aprons and three pieces of striped shirts.
Italian striped fabric shirt with stand collar of ramie, small vintage faux pearl glass buttons(@CO- Higashi-kanda ) from england is tite fitting.
Luxury yarn cotton pinstripe dress shirt with Elbow darts,bias Gazette.
Cotton stripe jacquard cleric shirt has the shirt tail called “Manhattan”.
Dark navy denim slacks equipped with buttons for classic braces (suspenders).
Carpenters & farmers Apron made ​​of linen is embroidered trademark name.

kejin

 潤沢な手間と時間を注ぎ込むわりには、相対的に見て、あまり高い値段をつけられない(お客様がそれに充分な金額を払う考えやスタイルが少ない)という事に、いつもぶつかるハンドメイドのパンツが、レストランにおけるコンソメと同じ運命を辿るのは勿体無いといつも会話にのぼるのと同様に、今年何度も繰り返された「残暑が長い」という挨拶で始まった九月一回目の私塾日。裁断まで済んでいるジャケットの芯パターンづくりと裁断をし、同時に、ほぼ同じ形ではあるが、脇に珍しいカッティングを取り入れるジャケットのカッティングをする。ポケットの切り込みを利用して、別布をはめ込むのだが、タチキリ線で表そうとするので、最初はなかなか寸法計算に手こずるが、縫い目が一本増える計算になるので、非常に綺麗なラインを期待出来る。実技以外の質問事項として、ブレイシスで吊るパンツ作成の場合のウエストまわりについての考え方(食事を経てのお腹の変化や、礼服等の上物の丈の短さに対応するなど)、作成中のパンツの渡りについての考えと相談、手かがりボタンホールの芯糸について教えていただく。その他、先生のところの、いろいろなサイズやデザインのジャケットを試着させていただいたが、ネックポイントで着ているという感覚が絶大で、同時に衿の吸い付きの反りが肌感覚で感じられ、中でも、布だけで持ってみれば物量として相当重い、草原で寝転んでも大丈夫『ソーン・プルーフ』製のものは、きっちりテーラリングできれば、この上なく軽くこれほどまでに快い着心地を実現出来るというお手本であった。昔の日本の服には、「首の後ろに重点がかかるように作れ」とよく言われたようだが、それでは肩が凝る(日本語によって生じる状態)のは必至である。試着させていただいた麻のジャケットやツイードのジャケットを通して、その土地土地に相応しい生地というものがあるのではないかという話となる。

koden
DGY

 資料カードとして。