HAROON MIRZA @SCAI THE BATHHOUSE
2013年2月23日
HAROON MIRZA @SCAI THE BATHHOUSE
2013年2月2日
2012年12月15日
小芝居集団コーンポタージュ・都電荒川線公演『乗りすごす夢のしるし』を観劇する。雨の大塚駅前から三ノ輪橋まで。先月、衣装を担当させていただいた押上長屋公演『眠れない夜のねごと』と対になった作品で、2012 秋のコンポタ三部作の完結編である。パンコントマテ(木下雄史・島袋真二)、加藤絵美、久保田沙耶、池田亮平、ちよ、きたむらりょうたろう、石川カズキの、この上ないコンビネーションと個性とによって、長屋の布団の上でのねごとが、電車の中で見る夢で再構築された。路面電車で観るという希少な経験も含め作品がとても面白くて、あっという間の電車旅であった。作品をより深く楽しむ為の切符を全て持ち合わせていなくとも、あの頃の少年少女はそれを受け取った。コーンポタージュの作品の特長。終演後、作品を味わい、思い返していると、またすぐに何度も観たくなる。しかしながら、限られた経験や時間の中で深く尊く噛み締めたくもある。ことばで素晴らしさを伝える教養に乏しい私であるが、時間が経って、夢の中でそれを捉えられる瞬間が現れることを期待しているし、その力に溢るる作品であった。車窓から選挙カーが最後のお願いにまわる雨の土曜日と、晴れる予定の翌日曜日と、全く違った夢になるであろう事が想像せられ、石川さんの作品に天候も味方した結果となったのではないかと、個人的には感じた。音楽家でいえばアルバム製作にあたると言える恒例の本公演は、春か初夏あたりに構想されていて、今から楽しみである。
2012年12月8日
渋谷ヒカリエすぐ裏、AISHO MIURA ARTSで久保田沙耶『未完の存在』展が始まったので、オープニングに伺って来た。寡聞にして、美術の様々な文脈や歴史に明るくないので、理路整然とした事は言えないが、個人的な好みを脇に置いても、とても素晴らしいと思う。23日までの会期中に、何とかもう一度じっくり伺いたい。
2012年11月20日
会期終了ギリギリ滑り込みで、渋谷区立松濤美術館の『古道具、その行き先 -坂田和實の40年-』へ。個人的には『細江英公の写真 1950-2000』以来、12年振りに訪れた。茂原(正確には長生郡長南町)の美術館「 as it is 」へはなかなか行く事ができない中、渋谷での開催は非常に嬉しい。個人蔵の中に、白洲正子さん旧蔵や村上隆さん蔵なども数点含み、全部で134点、洋の東西・時代も含め、宗教的なものから日用品まで様々並べられている。一番目の展示室入り口に、A4サイズの出品リストがあり、展示品の横には探さないと見つからない程、絶妙に視界に入りにくい点に番号がふってあるので、古道具の姿とその並びの整然さが際立っている。図録もそうだが、すぐ横にはキャプションを付けないで、観客が自分なりに感じられるようにしてあるみたいで、それはまさに坂田さんがこれまでやられてきた事なのだと思う。私みたいな凡人は、プリントに目を落としている時間が長いことに愕然とした。キャプションも併せ見る事で、より深い味わいを楽しむ事は、もちろん有益な時間ではあるが、いかに自分で考える時間を当たり前に投げているかという事に、肝を冷やした。生で観てみたかった「おじいちゃんの封筒」はやはり素晴らしく、オランダ・デルフト窯白釉壺や皿などの他に、この日特に自分が気に入ったのは、明治時代の紙袋(日本)と昭和のドラム缶蓋(日本)であった。素晴らしい見立ての美を見せて頂いた。
2012年11月10日
埼玉県立近代美術館(MOMAS)での企画展『日本の70年代 1968-1982』に合わせて、MOMASのコレクションベスト10の美術作品の中から、舞踏家・ダンサーが一つ選び、それをモチーフとして作品を発表するイベントの本番を拝見する。この度、衣装のお仕事をいただいたダンサー・振付家の黒田なつ子さんは、ロビーのコインロッカーに展示されている宮島達男さんの『Number of Time in Coin-Locker』をモチーフに、映像もからませて作品を発表された。衣装は仮縫いを経る度に、当初のデザイン画から即興でどんどん変化していき、動きを服のゆとりによってカバーしていたルーズフィットな原形は影を潜め、最終的にはかなりタイトフィットになった。今回の使用素材が伸縮性を持たない布帛であった為、スリット・身八つ口やファスナーの解放等で動きに対応し、また黒田さんの動きによって意外な面白さや美しさも出た。しかしながら、ダンサーの想像以上の動きである。十分と思われたスリットもまだ深さが足りず、滑脱を呼んでいた。黒田さんがベラルーシに踊りに行かれる間、お預かりして修復中である。二回公演間のインターバルが少なく、他の作品の全ては観られなかったが、屋外での発表もあり、天候にも恵まれ、アートを観にこられた大人のお客さんからバレエ少女までが楽しんだ、大変素晴らしい企画であったと思う。
2012年11月7日
2012年11月3日
衣装を担当させていただいた「小芝居集団 コーンポタージュ」の『眠れない夜のねごと』が初日を迎え、観に行く。「秋のコンポタ」と銘打った三公演のうちの一つであり、東京スカイツリー開業で活気づく曳舟・東向島・八広・押上エリアで催されている「墨東まち見世2012」の中、木造長屋をリノベーションしたスペース「あをば荘」における特別企画『私たちがおすそわけできること』の演劇公演として発表される。スペースの関係上、沢山の人が入れないのが勿体無いと言わざるを得ない、主宰・石川カズキさんのこの上なく冴え渡っている名作の足だけは引っ張らぬよう腐心した。出演者も石川さんの他、東京吉本の若手実力派パンコントマテの木下雅史さんと島袋真二さん・今公演でも写真や映像もこなす多才な加藤絵美さん・この舞台の後で作品を見たらそのギャップに驚くであろうアーティストの久保田沙耶さん、と、いつものメンバーとはまた違った個性が集結し、作品・空間・演出・音楽(Victory Mai Maiさん)とのマリアージュが素晴らしく、また心地良い。今回手掛けたアイテムには、その使用目的や機能性を鑑みても通常用いない、テーラリングを採用している。五人五様のフィットで、また出演者の輝きが衣装を助けてくれていた事もあって、僭越ながら何とか及第点かなと考える。席数が非常に少ない公演ゆえに、もしかしたら既にソールドアウトかもしれないが、追加公演も期待されるため、是非観て頂きたい作品である。この夜私は、実際にいい夢が見られ、翌朝さわやかに夢から覚めた。