価値

2011年8月30日

amaga
bran

思考の整理も兼ねて、古書店に書籍を16〜17冊買い取っていただいた。いつからか、資料に対してオブセッションがあるように思う。般若心経の「空」ではないが、早く目を閉じたかった。なかなか出来ない。本を減らしていけばいくほど、それは必然的にお気に入り度の高い書籍へと移っていく訳だが、今回数々の良書の中でも買い取り評価が良かった2冊を気まぐれに紹介する。『 A MAGAZINE 』のメゾンマルタンマルジェラ・キュレーター号と、ルーマニアから歩いてパリへ歩いて上った彫刻家ブランクーシのフォトグラフ。反復強迫だろう、訳者が好きなラカンの本を新たにもとめそうになったが、扉に「繰り返しフロイトを読み込んだ読者でなければ、無益に終わる」みたいな事が記されてあったので、助かった。一応、自分なりにオブセッションだと分かってきたつもりでいるので、基本的には図書館にお世話になりたい。

kina closed
shirt0619

ハーフスリーブと言っても、単にロングスリーブを途中でちょんぎった。という訳にはいかない。袖の性格を変えるには、肩線やアームホールを中心とした身頃全体が関わってくる。この一点だけ見ても、服づくりというのは無限に遊びを効かせられる。図書館で借りていたビル・エヴァンスについての書籍を読了したが、前述した事にも関連して、学生時分より漠然と感じていて、なかなかはっきりと言葉に整理できてはいなかった事が書かれていたように思える部分があった。今回は、あらかじめの対策によって、上衿の返り具合が良かったが、その代償として、ストライプ柄の表れ方に犠牲を払う結果となった。もっとふさわしい落としどころが有ったという事になる。
この度の閉店で初めて知った存在だが、六本木の<貴奈>が惜しまれながら閉店した。「歴史に幕」という言葉がある。惜しいものに限って幕が下りてしまうのか。幕が下りるから惜しいのか。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

アーカイブ

2011年5月20日

Library1

どのような分野の仕事においても、必要と感じ、身につけなければならないと選択したある知識や技術を学ぶと、そこから関連して習得すべき事項が無限に派生してくるため、理想は、近づいてはまた果てしなく遠のく。図書館における複写は、著作権第31条および著作法施行令第1条の3に従い、各自の責任において正しく利用する。

mugi
my dear bomb

出荷後、昼食休憩。名曲喫茶 麦。
成功者・著名人のバイオグラフィは出来過ぎている位であるが、考えてみれば、我ら凡人の場合とて同様か。分析はできない得意ではないから。粋な文学的裁断技術書。



orchestra105

 クラシック音楽に明るくもなく、ラヴェルといえば、寡聞にしてボレロくらいしか知らなかった学生の頃、どういう訳かジャケ買いをして、好きになったピアノ協奏曲。おそらくは、卒業制作におけるランウェイ用曲選考の一環だったように記憶している。作業しながら、よく聴いていた。バーンスタイン 自らピアノ演奏。威風堂々たるセルジュ・チェリビダッケ。絵本『オーケストラの105人』は、金曜の夜にオーケストラの面々が、身支度をして舞台へ向かうまでを描いた絵本で、服づくりのインスピレーションたり得る1冊。

外套

2011年1月22日

An overcoat

10年程前、ユーリ・ノルシュテインのアニメーションで知った、ゴーゴリの小説『外套』。読まずとも大筋は知っていたが、このほどようやく読了。主人公と仕立屋とで、この上ない羅紗を手に入れて外套を新調した場面では、読者もまた幸せになった。登場人物のみならず、厳寒の地で生きていくのに本当に必要な服の姿が美しい。