ラノリン

2011年10月23日

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霜月も目前、霜降の頃にしてやや汗ばむ日曜日の私塾通い。もう少し進めて望む予定であったが、「芯据えはこの1本!」という最重要の箇所を、一度チェックしていただいてから、作業を進めた。縫い目1本、テープ1本にも大切な意味と大変な効果があり、ひとつひとつ良い服に繋がる手応えを積み上げていく。裏地の取り方、縫い代の取り方なども含めると、同じアウトラインの型紙であっても、全く違うものが出来上がるのだから、際限なく奥が深く、面白くて仕方が無い。途中、ウール生地についての話になり、トップダイ、ヤーンダイ、ウールダイ等の染色やエイジング、そして仕上げの話題から「ラノリン」という言葉が登場した。特に女性なら美容用品として耳にした事があるかもしれない羊毛脂の事である。例えば、コムデギャルソンがパリに出て行った最初の頃発表した事のある(うろ覚えで、自身は無いが。)全く脱脂していないセーターがあったが、一般にはウールは服地としての製品に仕上げられていく過程で、必要あって脂抜き工程を経るのであるが、最終的に羊毛本来の性質や良さを帯びるようにラノリンを付加するそうである。やはり、元々自然と必要なものであるから含まれている訳で、全く抜いてしまうと上手くないのであろう。染色に話を移すと、現在はどうかわからないが、昔のハリスツードはウールダイだったそうである。通常はトップダイである。より上等なのがヤーンダイで、さらに上がウールダイという事だ。なぜ良いか?ウールというのは、そこから「カード→ヤーン→トップ」と進んで布地になっていくのだが、最初に染める事により、カード以降の工程で不要物が搾り取られていくことになり、素晴らしい風合いを醸し出すという事になるのだそうである。このような染めの段階や、エイジング(葡萄のように当たり年など)の年代を好き好きに選びミックスして生地から作るような文化が主流であったら、どんに豊かであろうと妄想するのであった。前日の10月22日22時22分からは、アンダーカバーの最新コレクションを配信で観賞した。どなたか著名人のブログにもあったが、内容も素晴らしかったのにも関わらず、パリで発表しなかっただけで、これまで必ず掲載されていた某コレクションサイトに取り上げられないという事であったらしい。門外漢の推論だとしても、アンダーカバー社側がわざわざそう意図する(掲載を遠慮する)とも思えなく、これもモード世界のいち性格なのだと今日のところは考えた。