アカデミー

2011年5月8日

slacks1

三月までの、ハンドメイドによるパンツ作成講義に続き、個々の研究課題を勉強する通常授業に通い始める。様々な出会いや、先生の服作りに対する真摯な沈思黙考・試行錯誤の連続から生み出されたと思われる、プルダウンや前肩の操作を中心とした、着心地と服の格好良さに綿密に関わる重要な技術を取り入れた、ノッチドラペルの上着作りを主題とする。
パンツ作成講義で作ったものを先生に見ていただく。無論、まだまだ自分のアイロンワークが稚拙なのだが、それでも、時間をかけたそれだけのことが、これほどまでに漏れなくそれに見合った効果を現してくれる・報われる事象を、昨今体験した事が無い程である。ひとつづきの布が、体の成りに沿って曲線を立体的に描き、体のねじれに対しては、布がまっすぐに落ちてそれを隠す。裾の仕様が、モーニングカットのダブルであっても、ものの見事にきれいに上がる。
第一日目の本題は、手は動かさず、この上なく大切な、フィッティングの理論を学ぶ。哲学的かつ文学的、論理的かつ情緒的。講義の受け手は、こういう場に至って初めて、小中高等学校時分の総合的一般教養修練の怠りを後悔する事になるのである。
休憩時間にはヴィンテージクロスや、繊維のエイジングのお話などを伺う。たとえコスト高でも、ワインの熟成を楽しんでいる様に、生地の熟成を楽しめる世の中であったなら、よりいっそう豊かなのにと感じる。スピードは上げるのか。下げるのか。