8月最初の私塾。ウェストコートの「みつ布」周辺(衿みつ)と肩部の処理・同時進行で完成間近のスラックスのフィッティングと細部についての質問を行う。ジャケットの時もそうであったが、後ろ右側にのみ、やや「ツキ皺」が出る。持ち帰り直してみるが、まだ出るので、印は気にせず臨機応変にもう少し思い切って詰めてみる。素材が裏地である事(しかも今回のものは、妙に張りがある)と、アイテムとしてタイトな分、体型がもろに出る部分で特有の難しさがある。みつ布をもう少し長めに裁って、アイロンで縮めたらもっと良かったかもしれないと考える。スラックスは前中心を持ち上げるよう改良した分、落ちは綺麗になったが、右腰の張りに対してもう少し出したら、さらに綺麗にいくと思われる。あとは、良い型紙に対してのテーラリングの精度だと考える。主にウエストまわり(腰芯の処理や腰裏・腰幕等の仕様)の質問をしたが、腰裏は、ぴったりきれいに据えると、ベルトを締める場合、度重なる締め付けによる「反り」に対応する余裕が無くて、糸がほどけてきてしまうケースが多く見られるとの事。対策として、裏側に丸く反らせて据えていく。
ロンドン五輪男子サッカーで、ブラジル代表の国歌斉唱時のユニフォームにことごとく見られ、気になっていた「たすき皺」と「斜め皺」に関しては、自分の解釈が合っていたので、フィッティングも身になってきた実感があるが、ちょうどこの日は、他の方の仮縫いを実践させていただけ、この上なく勉強になった。見方は大体頭に入ってはいるものの、十人十色の個別のケースに、最小限の手数で最大の効果をもたらし、問題を解決していく視点は、まだまだ獲得できているとは言いがたい。
まず、後ろ裾がくっつき過ぎていて、やや前がはねている(きれいに落ちていない)ので、最初、前に対して背が長いと思ったのだが、それにしては衿が高過ぎることはなく、むしろ低いか抜け気味ともとれなくもないため(実際には問題無しと言える)、結果としてはヒップ寸法が小さいだけであり、ここでは複雑に考え過ぎたという事になる。そして、何はさておき一番修正しなくてはいけなかった点は、大多数の人が当てはまる「右肩下がり」である。下がっている分量は、前の打ち合わせでウエストラインがズレている分と、後ろ裾が右下がりになっているのを水平になるまで背でつまんだ分で測る。その寸法を前後右肩で削り、ネックポイントではその半分か三分の二程度の量を削る。と、同時に勿論サイ・デプスも同量だけ深くする。前をきれいに落とす事と、横方向の分量不足解消は、前の打ち合わせを出す事で単純に解消できた。その他、細かい点はいくつかあるが、今回で言えば、ヒップや打ち合わせがやや不足気味なのも含め、例えばデザインとして着用者の意向である場合もあり、お客様との話し合い等に応じて最良の方向を取りたいと考える。そして、脊椎の湾曲による「肩下り」に対して、希に「肩上がり」というのがあるらしく、見極めは大変難しい。メジャーな体型である肩下がりは、片方の脇が短いという事だが、肩上がりは脇の長さは一緒で、肩の筋肉等が異常に発達している場合などに見られる。肩上がりは手の長さは同じだと考えそうだが、やはり袖にも左右差補正が出るという事である。












